wellen's diary 〜大切なものと生きる〜

小さな家で心地いい暮らしを探すブログ。断捨離、ミニマリスト、持たない暮らし。

本や書類を「自炊」で減らす

通販で買った本棚を持っています。2つセットのもので、夫と私でひとつずつ使っています。ひとつは雑誌など大判書籍が2列入り、もうひとつは文庫と単行本が3列入るもので、奥行きもたっぷり、高さもどっしりとしていて、それはそれは大容量です。定期的に読み終わった本を買取に出して減らしてはいるものの、なかなか減らせない私にとって、引越しのたびにそのまま連れてきた愛着ある家具です。

 

しかし、新居にはひとつの本棚しか入りませんでした。大きさを測って間取りとにらめっこしましたが、どうしてもひとつしか置けないのです。私はためらうことなく、自分用に使っていたものを粗大ゴミに出しました。10年ほど使っているうちに、棚板がたわんだり、合板が剥がれてきたりしていたので、処分に迷いはありませんでした。

 

本棚から出した本は行き場をなくして、床に山積みになりました。ダンボール3個分を買取に出しましたが、山はまだまだ崩せません。新居には作り付けの棚があります。でもそこはどんどん増える夫の本のためにスペースを空けておきたい、ならば、かさばらない薄い本棚を買おうかとか、収納の空いた隙間に滑り込ませようとか、色々と考えていました。

 

「どうしようかな、どうしようかな」

しばらくの間、うずうずと、床に積まれた本の山を見ている日々でした。 

 

片付け本には、いつか読もうと思っている本の「いつか」は永遠に来ないから捨てるべし、と書いてありましたが、そんな類の本はとっくに手放しました。問題は、私にとって重要で、何度でも読み直したいものだったり、思い出が詰まっているものだったり、大切な人からもらった本です。そして大量の、雑誌や新聞のスクラップや日記もありました。

 

やっぱり「あれ」しかない。「自炊」するしかない。書籍をデジタルデータ化する、あれです。

 

自炊歴は4年くらいでしょうか。きっかけは夫の仕事の手伝いです。ある時期せっせと作業していました。作業自体は単純ですが、数が多いとそれなりに時間はかかります。もちろん紙としての本の魅力は言うまでもありません。お気に入りの本の背表紙がずらっと並んでいる様子や、ふと思いついた時にページをめくる楽しみ、偶然開いたところの言葉がすとんと胸に落ちる醍醐味など。

 

それでも、自炊で取り込んだデータはとても綺麗に表示されるし、古本も変色したりボロボロに劣化する前に保存できるし、外出先でもたとえ海外でも、パソコンさえあれば蔵書と一緒に移動できるし、私にとってはいいことずくめです。はじめは、所有本のなかでも重要度が低い本だけをやろうと思っていましたが、どんどん自炊するうちに、勢いがついてきました。本を分解して、断裁して、スキャンスナップで取り込んで、ファイルに名前を入れて、データをハードディスクに移して、紙の束となった本を「紙ゴミ入れ」にドサっと捨てる(紙ゴミのリサイクルに出します)、その捨てる瞬間が気持ちいいのです。1〜2割だけ本のかたちで残して、他の8〜9割はデジタルデータ化するつもりで、ただいま絶賛自炊中です。床に置かれた本や書類が、ひと山、ふた山、と少しずつですが減っていく様子も、とても清々しいです。

 

さよなら「収納」。衣装ケースやテクニックにはもう頼らない

新居は今よりも20平米ほど狭くなります。小さな暮らしのために、たくさんのモノと向き合っています。

 

何度も何度も引越しを経験しているのに、そこからひとつも学んでいないのでは?と自分でもあきれてしまうくらい、部屋のあちこちからモノが溢れ出てきます。なぜこんなことになったのか?しばらく考え込んでしまいましたが、理由がやっとわかりました。「収納」ケースや「収納」ノウハウのせいです。私は「収納」の罠に陥っていたのです。

 

今の家に引っ越してきた時、クローゼットに手持ちの収納ケースがピッタリと収まったことが嬉しくて、同じものをたくさんネットで買いました。クローゼットのギリギリまで積み重ねるつもりで高さを測って買いました。すると、これまでバラバラに詰め込まれていたモノがケースに集合してとても見やすくなりました。引き出し式ですから、スペースの無駄はゼロ。たっぷりとモノが入りました。あまり使わないモノも、とりあえずとっておこうと軽い気持ちで入れました。どんどん入るのです。雑誌やネットで見た収納テクニックが役に立っていると思いました。自分ではきちんと片付けをしていたつもりでした。モノが少ない方だとも思っていました。クローゼットの扉を閉めれば部屋がスッキリとするのですから。

 

引越しが決まったので、持ち物を点検しなくてはならなくなりました。いまある収納ケースすべてを新居の収納スペースにおさめることはできないことがわかりました。そこで、収納ケースからモノを全出ししました。いる、いらないで仕分けていくと、モノの量は約半分になりました。ネットで買った収納ケースは半分いらなくなりました。

 

収納ケースはそれほど古びていませんでした。まだ綺麗なモノをゴミに出すのはツラいことです。いらないモノと一緒に2回に分けてリサイクルショップへ持っていきました。大した金額にはなりませんが、次の人に使ってもらえると思うと気持ちが楽になります。ショップから手ぶらで帰る道すがら、心はとても軽やかでした。「もう余計な収納グッズを買うのはやめよう。絶対にやめる!」と、ひとりかたく誓いました。

 

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これからはモノに振り回されたくない。モノを無限に飲み込んでしまう収納グッズにはさよならします。スタバにも春。サクラストロベリーピンクミルクラテに縮こまった心が柔らかくほどけていきます。

コンパクトに生きること

引越しの多い人生です。この春、11回目の引越しをします。

 

引越しの理由は、さまざまでした。今より便利なところへ移りたかったという前向きな理由もありましたし、家庭や仕事の都合でやむを得ず移らなければならないこともありました。ある時は2つの自宅があり、1ヶ月ごとに行き来していたこともありました。

 

ずっと住むのだと思っていた広い家がありました。しかし、現実は思い通りではありませんでした。3年ほどで引っ越すことになり、私は持ち物の整理と処分に追われました。一生モノと思って揃えた家具は、次の家に入らないことがわかりました。悩みに悩んで設置したモノも、新居に持っていけませんでした。その頃からです。モノがずっしりと我が身に堪えるようになりました。

 

引越しでは、否応なく自分のモノと向き合うことになります。新居に持っていきたい大切なモノもあります。これはいらないなというようなモノもあります。手放していいかどうか、判断ができないモノもあります。

 

引越しを重ねるたびに、モノがずっしりと心にのしかかるようになりました。ずっしりとしたモノとは、自分自身の「過去」でもあります。

 

暮らしってなんだろう?

生活ってなんだろう?

家ってなんだろう?

自分はこれから何を大切にして生きていけばいいんだろう?

 

引っ越すたびに、「生きること」への問いが強くなりました。いま、11回目の引越しに向けて、自分の心と、自分の持ち物を、あらためて整えようとしています。